12KW バードビュー・オープンアレイレーダー ペデストル(発信部)
GARMIN GMR 12kW OPEN ARRAY
4kWの3倍の出力で鳥山を探す12kW。世代は「使い方」で選ぶ。
12kWは4kWに対して送信出力が3倍です。第2世代と第3世代で出力・回転数・ビーム幅は同じで、違いは最大設定レンジ(72海里/96海里)、エコートレイル、ネットワーク規格です。鳥山探索が目的なら第2世代でコストを抑えられ、他船監視や長いレンジ設定を重視するなら第3世代が適しています。
■用途別の選び方
鳥山レーダーとして使う → 第2世代(この商品) 鳥・魚を探す性能は第3世代と同等です。Garminマリンネットワークにそのまま接続でき、Gateway・Switchが不要なぶんコストを圧縮できます。
| 他船監視・長いレンジ設定が主目的 → 第3世代 真エコートレイルで他船の動きを判別しやすくなり、最大96海里までレンジを設定できます。BlueNet製品だけでシステムを組む場合、Gatewayは不要です(BlueNet製品同士はBlueNet 20 Switchで接続)。8000・1223シリーズ等と併用する場合はGateway・Switchが必要です。 第3世代 12kW xHD3 発信部はこちら |
第3世代(BlueNet製品)を選ぶ場合の接続上の注意:BlueNet製品が2つ以上ある場合は、BlueNet製品だけのネットワークに分け、BlueNet 20 Switchで接続してください。BlueNet製品が2個以上従来のマリンネットワークにある場合、機器が起動できなくなります。2つのネットワークをつなぐ場合はBlueNet 30 Gatewayを必ず使用してください。
設置面が低い船ならレドームという選択肢も
レーダーで探せる距離は、出力やアンテナの種類よりも設置面の高さで決まります。設置面が高くならない船で、1〜2マイル(約1.9〜3.7km)の範囲で鳥山を探すのであれば、レドームで十分対応できます。鳥山目的なら18インチ第2世代 GMR18 xHD(¥337,182)、走りながら他船を監視するなら18インチ第3世代 GMR18 xHD3(¥399,909)です。左右に並ぶ目標をより細かく分けて見たい場合は、24インチ第3世代 GMR24 xHD3(¥539,000)も選べます(1km先で左右に分けて映せる幅の目安:24インチ約65m、18インチ約91m)。
■この商品の概要
| 項目 | 内容 |
|---|
| 対象モデル | GMR 1224 xHD2(4ft)/GMR 1226 xHD2(6ft) 第2世代 |
| 出力 | 12kW |
| 回転数 | 24/48RPM(デュアル回転) |
| 最大設定レンジ | 72海里 |
| 水平ビーム幅 | 4ft 1.8°/6ft 1.1° |
| 表示 | 高解像度8ビットカラー(大小の目標とノイズを区別しやすい) |
| ネットワーク | Garmin マリンネットワーク |
最大設定レンジは画面で選べる最大距離です。実際に探知できる距離は設置高さで決まります(後述「距離を伸ばすのは、出力ではなく設置高さ」)。
■水面に浮かんで休む鳥を探知判別するバードモード
もともとは一部のカジキトーナメンターが航空用レーダーを船舶に積んで鳥山を探し、カジキやマグロのいるナブラを誰よりも早く見つけるというシークレットメソッドからヒントを得て開発が始まりました。
航空レーダーを開発しているGARMINは、航空機のバードストライクを避けるために水の上で休む鳥を検知できるレーダーを開発しています。同様の鳥を探査するアルゴリズムをマリンレーダーに転用搭載したのが自動バードゲインです。この機能を使うと、水の上で休む鳥は黄色の反応で表示され、鳥がベイトフィッシュを見つけて水面から飛び立つと、赤く連続的に形が変わる反応として表示されます。
鳥を見つけるのはもちろん、フィッシュイーターに追われて水面まで上がったベイトに鳥がダイブしている状態も見つけられます。これから発達するナブラ、消えていくナブラを鳥の状態から判断できるのが、GARMINのバードモードです。
バードモードで鳥山を発見

■なぜ12kWを選ぶのか
遠方の鳥や反射の弱い目標を探すなら、12kWを選ぶ理由は「送信エネルギーの余裕」です。12kWモデルは4kWモデルに対して3倍のピーク出力(送信中の瞬間的な電波の強さ)を持ちます。同じパルス長(1回の送信時間)で比較すると、1回に送り出すエネルギーも3倍になります。
4kWと12kWの比較
| 比較項目 | 4kW | 12kW |
|---|
| 4ftモデル(第2世代) | GMR 424 xHD2 | GMR 1224 xHD2 |
| 4ftモデル(第3世代) | GMR 434 xHD3 | GMR 1234 xHD3 |
| ピーク出力 | 4kW | 12kW |
| 同じパルス長での送信エネルギー | 基準:1 | 3倍 |
| 最大設定レンジ(第2世代) | 72海里 | 72海里 |
| 最大設定レンジ(第3世代) | 72海里 | 96海里 |
| 水平ビーム幅 | 4ft 1.8°/6ft 1.1° | 4ft 1.8°/6ft 1.1°(同じ) |
| 発信部の価格(第2世代・税抜) | ¥558,091 | ¥959,000 |
| 発信部の価格(第3世代・税抜) | ¥691,727 | ¥1,016,273 |
数値の根拠:Garmin公式製品仕様(GMR 424 xHD2/GMR 1224 xHD2)、第3世代のレンジはGarmin発表(GMR xHD3シリーズ)。エネルギー比は同じパルス長を前提に12÷4で算出。価格はアンテナを含まない発信部の当店販売価格です。最大設定レンジは、鳥の検出距離を保証する数値ではありません。
なぜ、送信エネルギーが重要なのか
レーダーは、送った電波が目標に当たり、戻ってくる反射を受信して目標を表示します。遠方の目標や鳥などは戻ってくる反射が弱く、雑音に埋もれてしまうことがあります。12kWは、ほかの条件が同じなら4kWより戻ってくる反射を強められるため、こうした目標を捉える余裕を増やせます。
また反射信号が強いほど、海面反射除去やレインクラッター除去などのフィルターをかけても目標が消えにくく、荒れた海面や雨の中でもよりクリアに見えます。
「見つける力」と「見分ける力」の違い
「見つける力」は、弱い反射を雑音の中から捉える能力です。送信出力を上げることで、この能力に余裕を持たせられます。「見分ける力」は、近接した目標を別々に表示する能力です。前後方向の分離には主にパルス長、左右方向の分離にはアンテナのビーム幅が関係します。
| 性能を決める要素 | 主に関係する能力 | 12kWを選ぶ意味 |
|---|
| 送信出力 | 弱い反射を捉える余裕 | 4kWより出力を増やせる |
| パルス長 | 前後の目標の分離 | 同じ長さなら理論上同等 |
| アンテナのビーム幅 | 左右の目標の分離 | 同じアンテナでは公称値が同じ |
同じパルス長・同じアンテナで比較した場合、12kWの強みは、同じ分離能力の条件で、目標へ送るエネルギーを増やせることです。
仕様上の確認事項:4kWと12kWで、全レンジのパルス長が同一かどうかは公式資料で未確認です。パルス長についての説明は、同じ長さで比較した場合の原理です。
鳥探索を重視する方へ
沖で鳥を探すとき、重要なのは弱い反射を拾える余裕です。遠方の鳥や小さな鳥群の探索を重視する方にとって、4kWの3倍となる12kWの出力は選択する理由になります。
ただし、実際の見つけやすさは、海況、鳥の数や高度、アンテナの設置高さ、受信感度や海面反射の抑制設定でも変わります。出力を上げると海面からの反射も強くなるため、12kWなら必ず鳥を発見できるわけではありません。また、出力が3倍でも、検出距離が3倍になるわけではありません。
参考:一般的なレーダー方程式では、雑音で探知が決まる条件のとき、探知距離は送信出力の4乗根に比例します。出力比3倍の場合、探知距離の伸びは約1.3倍(3の4乗根≒1.32)が理論上の目安です。アンテナ・パルス長・受信感度が同じ場合の計算で、海面反射や水平線の影響は含みません。
4kWから12kWへの変更で得られる価値は、遠方や反射の弱い目標を探すための出力の余裕です。鳥探索を重視し、弱い反射を捉える余裕を増やしたい方には、12kWを選ぶ理由があります。
さらに出力の余裕が必要な方は25kW(12kW比 約2.08倍)もお選びいただけます:25kW 第2世代 xHD2/25kW 第3世代 xHD3
■見分ける力はアンテナで決まる:6ftで水平ビーム幅1.1°
左右に並んだ目標を分けて表示できるかどうかは、出力ではなくアンテナの水平ビーム幅で決まります。4ftオープンアレイの1.8°は18インチレドーム(5.2°)の約1/3で、1km先で左右に並ぶ目標を分けて表示できる幅は約91m→約31mになります。6ftオープンアレイ(1.1°)なら約19mです。
海岸線・船・雨雲のエコーを明確に表示し、表示した目標の位置からウェイポイントを作成できます。

アンテナ別の方位分解能(左右に並ぶ目標を分けて表示できる幅の目安・m)
| 目標までの距離 | 6ftオープンアレイ 水平ビーム幅1.1° | 4ftオープンアレイ 水平ビーム幅1.8° | 24インチレドーム 水平ビーム幅3.7° | 18インチレドーム 水平ビーム幅5.2° |
|---|
| 20m(最小レンジ) | 0.4 | 0.6 | 1.3 | 1.8 |
| 100m | 1.9 | 3.1 | 6.5 | 9.1 |
| 500m | 9.6 | 15.7 | 32.3 | 45.5 |
| 1km | 19.2 | 31.4 | 64.7 | 91.0 |
| 1海里(1,852m) | 35.6 | 58.2 | 120 | 169 |
| 5海里(9,260m) | 178 | 291 | 599 | 843 |
| 10海里(18,520m) | 356 | 582 | 1,198 | 1,685 |
計算式:目標までの距離 × tan(水平ビーム幅)。ビーム幅の公称値から算出した理論上の目安で、パルス長・画面設定・海況により実際の見え方は変わります。

■距離を伸ばすのは、出力ではなく設置高さ
出力が大きいほど弱い反射を捉える余裕が増えるのは間違いありません。ただしパワーを上げただけでは距離は伸びません。距離を伸ばしたい場合は、レーダーを設置する高さを上げてください。
| アンテナ設置高さ | 海面上の目標までのレーダー水平線 |
|---|
| 3m | 約3.8NM(約7.1km) |
| 5m | 約5.0NM(約9.2km) |
| 8m | 約6.3NM(約11.6km) |
| 10m | 約7.0NM(約13.0km) |
前提:一般的なレーダー水平線の概算式 距離(NM)≒2.22×(√アンテナ高さm+√目標高さm)。上表は目標高さ0mで計算。目標が高いほど距離は伸びます(例:アンテナ5m・目標10m→約12NM)。気象・海況により実際の探知距離は変わります。
■性能を引き出す設置:前傾4°・船体の水平維持・船首方位
レーダーの性能を引き出すには、レーダーを最低でも水平、できれば前方に4度程度お辞儀(前傾)させた状態で設置することが大切です。そのためには、Scanstrut(スキャンストラット)のレーダーマウントとベースウェッジを使って前に倒します。
また、走行中は船のバウ(船首)が上がるため、そのままではレーダーが空を映してしまい、海面が映りません。そこでハイドロタブ(HydroTab)を使い、船のローリング(横揺れ)やピッチング(縦揺れ)を制御します。ハイドロタブの自動制御によって船が常に水平を保とうとするため、荒れた海面でも海面付近の鳥山を映し続ける能力が高まります。
さらに、海図重ね表示・トゥルービュー表示・MARPA(他船追尾)を使うには船首方位信号が必要です。ビーム幅の細いオープンアレイの性能を活かすには、船首方位の誤差を小さく抑えられるサテライトコンパスMSC-10の併用をおすすめします。
レーダーは単体の性能も大切ですが、設置するためのマウント金具、船体の傾きそのものを補正するオートトリムタブ(オートインターセプター)、正確な船首方位センサーとの組み合わせが非常に重要です。
■主な機能
エコートレイル
他船の過去の「軌跡」が画面上に残るため、移動するターゲットや衝突の恐れがある船を迅速かつ簡単に特定できます。

48RPM 高速回転アンテナ
回転速度を24RPMと48RPMから選べます。48RPMでは画面の再描画が速く、動きの速い目標も追いやすくなります。

デュアルレンジ表示と海図への重ね表示
1台のレーダーで2つのレンジを同時に表示でき、近距離と遠距離それぞれに独立した距離設定と感度制御が可能です。チャートプロッター上で分割画面に並べて表示し、いずれかまたは両方のレンジを海図に重ねられます。
1m間隔の海底地形図(NEWPEC+海底地形図の購入が必要)の上にレーダーエコーを重ねると、他船がどの水深のどの位置にいるか、漁網のブイがどこにあるかを把握できます。反応に出た船や鳥をウェイポイントとして記録し、オートパイロット航法を開始することも可能です。


調整がいらないオートモード(ダイナミックオートゲイン)
感度・海面反射除去・雨雪反射除去をワンタッチで最適化します。感度(ゲイン)は、港、海岸近く、外洋の沖合に合わせて自動的に調整されます。

ダイナミックシーフィルター
凪から荒れた海まで、海の状態に応じて海面反射の除去レベルを自動的に調整します。

パルス拡張
送信パルスの持続時間を長くして、ターゲットからの反射エネルギーを最大化します。チャートプロッター上のターゲットの反応が大きくなり、遠距離の反応を見る場合に有効です。

デュアルレーダー対応
同じネットワーク上の2台のレーダーから、表示器ごとに表示するレーダーを選べます。たとえばレーダー1をショートパルス・低感度の近距離高解像度設定にして延縄を監視し、レーダー2をロングパルスの長距離設定にして航行する他船を探知する、といった使い方が1台のディスプレイで可能です。

最小レンジ20mの近距離探知
100mを切る距離でも漁網の浮きをレーダーエコーで表示します。混雑した海域でも、複数のターゲットを明確に映し出します。
レーダー映像が自船ヘディングに追従するトゥルービュー表示
船首方位センサーからの方位データ(MSC-10は毎秒10回更新)により、自船の旋回に合わせてレーダーエコーと海底地形図が滑らかに回転します。目視で確認したターゲット位置とレーダー画面上の位置のずれが軽減されます。
※船首方位センサー(MSC-10など)が必要です。海底地形図の表示にはNEWPEC+海底地形図が必要です。
AIS表示とMARPA(他船追尾)
最大100物標のAIS情報と、最大10物標のMARPA情報を表示できます。
| 機能 | 内容 | 必要な機器 |
|---|
| AIS | 他船の船名・位置・針路・船速・行き先などを表示。レーダー電波の陰になる大きな物標の向こう側の状況把握にも役立ちます。 | AIS受信機またはAISトランスポンダ |
| MARPA(簡易ARPA) | 選択した最大10個の物標を追跡し、針路・船速・自船との距離などを分析表示。衝突回避に役立ちます。 | 船首方位センサー(MSC-10など) |

ガードゾーン
物体がゾーンに入ったときにアラームを鳴らすガードゾーンを設定できます。

非発信ゾーン
人体などに向けて電波を発信しないよう、非発信ゾーンを設定できます。

VRMおよびEBL
VRM(可変距離環)とEBL(電子方位線)により、他船や陸地までの距離と方位をすばやく測定できます。

垂直範囲スケーリング
選択したレンジをディスプレイの縦方向に合わせ、前方のレーダー反応をより多く画面に表示します。ターゲットまでの距離を直感的に把握できます。
■第2世代と第3世代の違い(12kW)
出力・回転数・ビーム幅は同じです。第3世代で運用上大きく変わったのは、エコートレイル(他船の移動の軌跡を画面に残す機能)と最大設定レンジ(72海里→96海里)です。もう一つの大きな違いは接続するネットワーク規格です。
| 項目 | 第2世代 GMR 1224/1226 xHD2 (この商品) | 第3世代 GMR 1234/1236 xHD3 |
|---|
| 出力・回転数 | 12kW・24/48RPM | 12kW・24/48RPM(同じ) |
| ビーム幅 | 4ft 1.8°・6ft 1.1° | 同じ |
| 最大設定レンジ | 72海里 | 96海里 |
| バードモード(鳥山探索) | 搭載 | 搭載(差なし) |
| エコートレイル | 搭載 | 真エコートレイル(自船の動きの影響を除去) |
| ネットワーク規格 | Garmin マリンネットワーク | BlueNet |
| 8000シリーズ・1223シリーズ等と組み合わせる場合の追加機材 | 不要 | BlueNet 30 Gateway ¥68,091 BlueNet 20 Switch ¥65,364 計 ¥133,455(税抜) |
| その他(メーカー公表の第3世代追加機能) | — | スキャン平均化、ターゲットサイズ角度調整、100ノット耐風(構成により別売の電圧コンバーターが必要) |
| 発信部の価格(税抜) | ¥959,000 | ¥1,016,273(差額 ¥57,273) |
既存のGarminマリンネットワーク機器に追加する場合、第3世代は発信部の差額¥57,273に加えてGateway・Switchの費用¥133,455がかかり、合計¥190,728(税抜)の差になります。ケーブル類は構成により別途必要です。
■詳細スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|
| 出力 | 12kW |
| 防水 | IPX6 |
| 電圧範囲 | 10〜32VDC |
| 最大範囲 | 72NM |
| 最小範囲 | 20m |
| 回転数 | 24/48RPM(デュアル回転) |
| ビーム角度 | 水平:4ftアンテナ1.8°/6ftアンテナ1.1° 垂直:23° |
| 台座寸法 | 52 × 32.4 × 31.8 cm |
| 標準消費電力(送信時・通常モード) | 90W |
| 重量 | 4ftアレイおよびペデスタル:26.9kg(アレイ5.5kg+ペデスタル21.4kg) |