師ヒロです。かなり重要な情報ですがあまり告知されていないようでしたので

お知らせします

 

6月30日ディファレンシャルGPS の運用停止が平成31年3月1日をもって履行されることが決定しました

DGPSとは日本各地の27箇所にあるビーコン局を設けて行う補正情報放送システムです

1997年 3月27日から、剱埼局と大王埼局によるDGPSの運用を開始し、1999年4月1日より、 狭水道等沿岸海域を含む日本周辺海域における船舶交通の安全を確保するために、日本周辺 海域に27局のGPS基準局を設置し、中波帯(288.0kHz~325.0kHz、有効範囲は200km)の電波を 用いて海上保安庁が運用しているシステムです

 

GPSは民間用途に開放するにあたり、その測位精度を意図的に落とす措置が加えられました。これがSA(Selective Availability; 選択利用性)と呼ばれる操作で、SAにより民間用GPS受信機の測位精度は100メートル程度に抑えられていました。

従来、カーナビの精度が100メートル程度といわれていたのはこのためです。
 SAは民間用受信機にのみ効力があり、米国の軍用受信機はSAによる影響を受けません。1990年3月より実施されており、湾岸戦争の際に一時的に解除された以外は、

2000年5月2日の13:00に解除されるまでずっとSAがかけられていました。

SA情報補正のために作られたDGPSシステムは100メートルの誤差が10メートル以内になるという精度改善でしたが

1999年4月1日より運用開始したものの2000年5月2日の13:00にSA解除でDGPSなしでも誤差が10メートル程度(SA解除DGPS 誤差は3Mに向上)になりとその有効性は1年程度しかありませんでした。

その後SBASという衛星から誤差情報を放送するシステムが登場し日本でもMTSATが完全運用されて実際はDGPSの必要性はなくなっていました。

それで今回の決定がなされた模様です。

のGPSやQZS-50Sは今後はGPSはもちろん、ロシアや中国の衛星やMTSAT QZSSをも使えるのでQZSS補完情報だけで1M程度の誤差へと進化します。

ソフトの更新もハードの変更もなしに精度が向上するのでQZSS対応モデルが今後の主流になりますね

DGPSをお使いの方は平成31年3月1日をもってDGPSが使用できなくなることを勘案されることをお勧めします。

 

ディファレンシャルGPSの廃止についてのお知らせ

 

ディファレンシャルGPSの廃止についてのお知らせが6/30に海上保安庁より広報されていますが、まだご存知ない方のためにお知らせいたします

いわゆる国産機のDGPSアンテナ JRC製品を各社(FURUNO HONDEX FUSO SONIC ROYAL KODEN等)にOEMした商品のDGPSは 、 平 成 31年 4 月 にロールオーバー( DGPS装置内の時刻管理が不能となる障害) が 発 生 し 、以後、 補正情 報の信頼性を担保できない状況
となりますので販売の上で上記を告知する必要があります。
また、すでに販売済みで現在運用されている機器も 平 成 31年 4 月 にロールオーバーが起きて 補正情 報の信頼性を担保できない状況の前の平成31年3月1日をもってDGPSが使用できなくなります。
平成31年3月1日以降、国産機のDGPSアンテナを使用していたGPSプロッターはMTSAT QZSSの補正情報を得られないことから10m程度の誤差が生じることになります。

GARMIN製GPSアンテナ 及びモジュール はすでにMTSATの補正情報を利用していて3m以下の誤差です。QZS-50SもすでにMTSATの補正情報を利用していて、さらにマルチ  GNSSにより2mの誤差です
これらは平 成 30年4月には、準天頂衛星 「みちびき」(QZSS)の 運 用 が 開 始 さ れるとそ の 補 正情報によるGPSの測位精度は1m程度に向上します

詳しくは以下の海上保安庁公式リリースをご覧ください

http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouhou/h29/k20170630/k170630-1.pdf

ディファレンシャルGPSの廃止について 
海上保安庁がディファレンシャルGPS(以下「DGPS」)を運用開始した平成 9年当時のGPSは約100mの測位誤差があり、海上の安全の確保のためDGPSによ り精度向上を図っていましたが、近年のGPS自体の精度向上、他の補正システ ムの運用開始、平成31年4月に見込まれるDGPS装置の障害発生等を踏まえ、 約21年間の歴史に幕を下ろすこととしました。 廃止を判断するに至った詳細は、以下のとおりです。

 ・ DGPSは、米国が運用しているGPSの測位精度を向上させるため、海上保安庁が全国27の 無線局から補正情報等を提供するシステムです。(別紙概要図参照)
 ・ 米国が運用しているGPSの測位精度は、以前に比べ大幅に向上し、現在その測位精度は 10m程 度 で 運 用 さ れ て お り 、 補正情報がなくても 国際海事機関 ( IMO) が定める 国際的な 基準を満たしている状況です。
 ・ また、我が国には、DGPS以外にGPSの補正情報が得られるシステムとして 運輸多目的衛 星用衛星航法補強システム(MSAS)(測位精度数m)があり、多くのGPS受信機で利用でき ま す 。 さらに、 平 成 30年4月には、準天頂衛星 「みちびき」の 運 用 が 開 始 さ れ 、 そ の 補 正情報によるGPSの測位精度は1m程度に向上される見込みです。
 ・ 以 上 か ら DGPSの必要性は、大幅に低下してきています 。 一方、 DGPSは 、 平 成 31年 4 月 にロールオーバー( DGPS装置内の時刻管理が不能となる障害) が 発 生 し 、以後、 補正情 報の信頼性を担保できない状況となります。