過去に9.8馬力2ストロークエンジン2例連続して受信回路が故障する事例が発生いたしました。
 その原因はサージ電流によるものと考えられます。
 だけでなく電子機器を使用する場合では抵抗入りプラグの導入を必ずお願い致します。

サージは、雷、電磁誘導、静電気などを発生源とし、して非常に発生電圧が高く高電流を有しています。
最近の電気製品は、多化の為、集積度が高くなり、 小型化された反面サージに弱いという欠点をもっています。
サージが電子回路に侵入すると、 瞬時にして電子部品が破壊されることもあります。

 一般のでも多かれ少なかれ電磁ノイズを放射し、対策が不十分の場合は魚群探知機の受信障害などを起こすことがあります。最もエネルギーが大きいのは、エンジンの点火プラグの火花放電にともなう電磁ノイズです。電波はその波長に近い金属導体と共振し、その金属導体をアンテナとして放射されます。船体ボディや電源線 線の寸法に近い波長は、魚群探知機の受信周波数の倍数に当たる電波です。点火プラグの火花放電は低い周波数から高い周波数までの成分を含みますが、ボディや電源線 振動子線がアンテナとなることにより、魚群探知機の受信障害を起こしてしまうのです。

電源 振動子ケーブルというのも単なる電線ではなく、ノイズのアンテナにもなるということを知っておく必要があります。また、機器構成は同じでも、配線は船ごとに違い、ケーブルの長さや這わせ方(曲げ方)だけでもノイズの発生状況は大きく変わります。たとえばケーブルとグランド(船体)が輪のようになると、ループアンテナのように機能して、ノイズはより放射されやすくなってしまいます。こうした放射ノイズは静電結合や磁気結合によって信号ラインに侵入し、コモンモードノイズ電流となります。

船の航海機器 魚群探知機の電子化・インテリジェントは時代の必然的な要請であり、従来にも増して厳しいEMC対策が必要になっています。とはいえEMC対策というのは製品ごとに異なり、ノイズ源を見つけることさえ容易ではありません。/イーサネット/CANが導入されはじめた5〜6年前、魚群探知機に乗るノイズがどうしても除去できないと船外機メーカーから相談を受けたことがあります。こうしたノイズトラブルはモデル化したコンピュータ・シミュレーションでは限界があり、やはり長年にわたる経験や勘が物を言います。ワイヤハーネスの位置を変えただけでも、ノイズの発生状況が変わるのです。船体への新たなイーサネットの導入もこれから本格化します。ノイズはデジタルに割り切れるものではなく、アナログでとても奥深い世界なので時間がかかるものです。どうぞご理解の程よろしくお願い致します。

ウィキペディアより
サージ電流は、サージ電圧の発生に伴って生じる現象です。特に落雷により発生するものは桁違いに大きく、しばしば電気機器などの被害が顕著となることから、一般的に雷サージ電流=サージ電流とされる向きもあるが、通常の電気回路などにおいても、スイッチの開閉などにより電流の大きさや方向を急激に変化させることにより発生する。また、磁界を急激に変化させる、充電したコンデンサを短絡(急放電)させることなどによっても生じる。
問題となるのは、電気機器などの回路を破壊するレベルの高電圧とこれに伴う大電流である。電気機器などの回路を破壊するほどではないが、その動作に不具合を生じるレベルのものは「ノイズ」として区別されている。従って、どの程度までのものを「ノイズ」とし、どの程度以上のものを「サージ」とするかについては、電気機器などによってそれぞれ異なったものとなっている。
特に容量性負荷、モーター、温度依存性の負荷などの回路の接続または遮断時に流れる電流は、小さな負荷のものであっても、場合によっては数ミリ秒の間に100Aを超えるほどのものにもなることがあり、その変化は衝撃的なパルスとも似ている。このため「インパルス電流」(impulse current)とも呼ばれる。電気機器や半導体などは、これにより破壊される危険性があるため、それに備えた防護対策が講じられる。なお、雷によるものでは、数マイクロ秒の間に100kAを超えるものになることもある。